お役立ちコラム

ホストにお金を貸して返ってこない!弁護士が教える回収率をUPさせるための重要ポイント
キャバ嬢・ホスト詐欺
重要ポイント

「好きなホストに貸したお金が返ってこない…」そんな悩みを抱えていませんか?

「担当ホストから『売上が足りない』と頼まれて、つい何十万円も貸してしまった」

「『絶対返すから』と言われて信じたのに、最近では連絡すら返ってこない」

「もしかして騙されたのでは…でも好きだから強く言えない」

ホストクラブに通う中で、担当ホストにお金を貸してしまい、返済されずに悩んでいる方は少なくありません。

「ホスト相手だから諦めるしかない」「自分が好きで貸したのだから仕方ない」…そう思っていませんか?

しかし、諦める必要はありません。

貸したお金は法的に返してもらう権利があります。借用書がなくても、相手の本名を知らなくても、お金を取り戻せる可能性は十分にあります。

この記事では、債権回収に精通した弁護士が、ホストに貸したお金を確実に回収するための重要ポイント、現状チェック項目、具体的な対応策を順を追って解説します。

貸したお金を本気で取り戻したい方は、ぜひ最後までお読みください。

監修:弁護士 福世 健一郎
弁護士法人M.L.T法律事務所代表 / 保有資格:弁護士(千葉県弁護士会所属)


年間200件以上の法律相談実績を持ち、法律の専門知識と豊富な経験に基づいたアドバイスや案件処理を提供しています。「ご依頼者様第一主義」の理念のもと、特に「密なコミュニケーション」を重視した対応を心がけています。千葉津田沼を拠点とする地域密着型の弁護士法人の代表として、地域の皆様の法的問題解決に尽力しています。

監修:弁護士 福世 健一郎
弁護士法人M.L.T法律事務所代表 / 保有資格:弁護士(千葉県弁護士会所属)

年間200件以上の法律相談実績を持ち、法律の専門知識と豊富な経験に基づいたアドバイスや案件処理を提供しています。「ご依頼者様第一主義」の理念のもと、特に「密なコミュニケーション」を重視した対応を心がけています。千葉津田沼を拠点とする地域密着型の弁護士法人の代表として、地域の皆様の法的問題解決に尽力しています。

まず理解すべき最重要ポイント:それは「貸した」のか?「あげた」のか?

最重要ポイント

なぜこの区別が最重要なのか

ホストとのお金のやり取りで最も重要なのが、「貸したお金(貸金)」なのか「あげたお金(贈与)」なのかという区別です。

貸金と贈与の法的な違い

項目貸金(貸し借り)贈与(プレゼント)
返済義務あるない
法的請求可能不可能
証拠「返す」約束が必要特に不要

もし法的に「贈与」と判断されてしまうと、たとえ高額でも返してもらうことは困難です。

ホストが「贈与だった」と主張するケースは非常に多い

「それはプレゼントとしてもらったものだ」

「あなたが好きで応援してくれたんでしょ?」

「返すなんて約束していない」

「貸し借りじゃなくて、恋人としてのやり取りだった」

このような主張に対抗するためには、「貸金契約」の証拠が不可欠です。

「貸金」だと証明できる証拠

以下のような証拠があれば、「貸金」として法的に認められる可能性が高まります。

借用書最も強力な証拠
LINEやメールのやり取り「返す」「借りる」「いつまでに返済する」などの文言
振込記録銀行振込やATM明細
返済の事実少額でも一度返済があれば、貸し借りの証拠になる
第三者の証言貸す場面を見ていた友人など
重要

「好き」という感情と「返済義務」は別問題

たとえホストのことが好きで応援したい気持ちがあったとしても、「返す」という約束があれば法的には貸金です。恋愛感情の有無は、返済義務とは関係ありません。

「贈与」と判断されやすい危険なケース

一方、以下のようなケースでは「贈与」と判断されるリスクがあります。

  •  誕生日やイベント時に「プレゼント」として渡した
  • 「応援しています」とだけ伝えて渡した
  •  返済の約束が一切ない
  • ホストから「ありがとう」とお礼だけ言われた
  • 恋人関係を装っていた
対策

必ず「貸す」ことを明示する

お金を渡す際は、LINEやメールで以下のように明確に伝えましょう。

「○○万円を貸します」

「いつまでに返してください」

「分割でもいいので返済をお願いします」

このやり取りを記録に残すことが、後の回収を大きく左右します。

現状チェック:あなたのケースは回収可能か?確認すべき5つのポイント

確認するべきポイント

お金の回収に動く前に、以下の5つのポイントを確認しましょう。これらの有無が、回収の可能性と手段を大きく左右します。

チェック①:「返す」約束があったか?

確認すること
  • ホストが「返す」「借りる」と明言したか
  • 返済期日や返済方法について話したか
  • 「いつか返す」「落ち着いたら返す」などの曖昧な約束でもOK

証拠の例

LINE「ありがとう!絶対返すから!」
メール「来月の給料日に返します」
借用書最も強力な証拠

判定

明確な約束あり回収可能性: 高
曖昧な約束回収可能性: 中
 約束なし回収可能性: 低(贈与と判断されるリスク)

チェック②:証拠は残っているか?

必要な証拠

貸した事実の証拠
  • 銀行振込の明細
  • ATM利用明細
  • 手渡しの場合の写真・動画
  • 第三者の証言
返済約束の証拠
  • LINEやメールのスクリーンショット
  • 通話録音(同意があれば)
  • 借用書
お金の使途の証拠
  • 「売上が足りない」などの相談内容
  • ホストからの依頼メッセージ
重要

デジタル証拠はすぐに保存

LINEやメールは、相手にブロックされたり、アカウントが削除されると見られなくなります。今すぐスクリーンショットを撮って保存してください。

チェック③:相手の情報はどこまで分かっているか?

必要な情報

情報重要度備考
本名★★★法的手続きに必須
住所★★★内容証明や訴訟に必要
源氏名★★☆身元特定の手がかり
勤務先店舗★★☆弁護士会照会で本名特定可能
携帯電話番号★★☆弁護士会照会で契約者情報取得可能
銀行口座★★☆振込先から名義人特定可能
SNSアカウント★☆☆補助的な情報

本名や住所が分からなくても諦めない。

弁護士に依頼すれば、「弁護士会照会」という制度を使って、電話番号や銀行口座から本名・住所を特定できる可能性があります。

チェック④:相手の収入・財産状況は?

確認すること
  • ホストとして働いているか(収入源の有無)
  • 店舗での売上状況(人気ホストか)
  • 他に仕事をしているか
  • 車や高級品を持っているか
  • 実家が裕福か
なぜ重要か

法的手続きで勝訴しても、相手に収入や財産がなければ実際の回収は困難です。ただし、ホストとして働いている限り、給与差押えなどの強制執行が可能な場合があります。

判定

現役ホストで売上あり回収可能性: 高
店を辞めたが別の仕事あり回収可能性: 中
無職・行方不明回収可能性: 低(贈与と判断されるリスク)

チェック⑤:「不法原因給付」に該当しないか?

不法原因給付とは

法律や公序良俗に反する目的で行われた金銭の授受のこと。該当すると、法的に返還請求できなくなります。

危険なケース
  • 肉体関係の対価として渡した
  • 愛人契約の一環として渡した
  • 違法行為(薬物購入など)に使うと知りながら渡した
危険なケース
  • ホストの売上を助けるため
  • 生活費の援助
  • 借金返済の手助け
  • 家族の医療費
  • 独立・開業資金
グレーゾーン:「枕営業」との関係

「体の関係を持てばお金を貸す」という条件付きの場合、不法原因給付と判断されるリスクがあります。ただし、恋愛関係として体の関係があったとしても、お金の貸し借りが別途あれば回収できる可能性はあります。

自己判断せず、必ず弁護士に相談してください。

【具体的対応策】ホストからお金を回収する6つのステップ

6つのステップ

現状チェックが終わったら、次は実際の回収に向けて動きましょう。段階的に強度を上げていく6つのステップを解説します。

ステップ①:LINEやメールで冷静に返済を求める

まず最初に行うべきこと

直接会うのではなく、記録が残る形式(LINE・メール)で返済を求めることから始めましょう。

送るべきメッセージの例

○○さん

以前お貸しした○○万円について、そろそろ返済をお願いしたいです。

【貸付日】○月○日
【金額】○○万円
【返済約束】△月△日まで

一括が難しければ、分割での返済も相談に応じます。

○月○日までにお返事をください。

よろしくお願いします。

ポイント
  • 冷静なトーンを保つ(感情的にならない)
  • 日付・金額を明記する
  • 返済期限を具体的に示す
  • 分割払いの柔軟性を示す
  • やり取りをスクリーンショットで保存
この段階での目的
  • 相手に返済義務を再認識させる
  • 後の法的手続きのための証拠を残す
  • 消滅時効の進行を中断させる

ステップ②:弁護士から内容証明または連絡を入れる

弁護士介入の効果

自分からの連絡は無視していたホストでも、弁護士名で文書が届くと「訴訟になるかも」と危機感を持ち、返済に応じるケースが非常に多いです。

弁護士にできること

弁護士名での督促状送付心理的プレッシャー
相手の身元特定弁護士会照会で本名・住所を調査
法的見通しの提示回収可能性の判断
交渉代行あなたが直接やり取りする必要がない
精神的負担の軽減プロに任せる安心感
弁護士会照会とは

弁護士会照会とは

  • 携帯電話会社 → 契約者情報(氏名・住所)
  • 銀行 → 口座名義人情報
  • ホストクラブ → ホストの本名・連絡先(開示に応じるかは店次第)

ステップ③:話し合いでの分割返済合意を目指す

訴訟に進む前に和解を検討

いきなり裁判を起こすよりも、まずは話し合いでの解決を目指しましょう。

分割返済の合意書を作成

口約束ではなく、必ず書面で合意内容を残します。

合意書に記載すべき内容
  • 借入金額の総額
  • 毎月の返済額
  • 返済日(毎月○日など)
  • 振込先
  • 遅延した場合の対応(残額一括請求など)
  • 署名・捺印
さらに強力:公正証書を作成

公証役場で「公正証書」を作成すれば、返済が滞った場合に裁判をせずに直接強制執行(給与差押えなど)ができます。

ステップ④:裁判所を通じた法的手続き(支払督促・調停)

話し合いが決裂した場合、裁判所を通じた手続きに移行します。

A. 支払督促(簡易な手続き)

支払督促とは

裁判所が相手に「お金を払いなさい」と通知する制度。通常の裁判より簡易で費用も安い。

メリット
  • 書類審査だけで進む(裁判所に出向く必要なし)
  • 費用が安い(通常訴訟の半額)
  • 相手が異議を出さなければ、そのまま強制執行可能
デメリット
  • 相手が異議を出すと通常訴訟に移行
  • 相手の住所が必要
  • 被害届を受理してもらえないケースが多い
  • 警察が動いても、お金が返ってくるわけではない

B. 民事調停(話し合い重視)

民事調停とは

裁判所で調停委員が間に入り、話し合いで解決を目指す制度。

メリット
  • 裁判より柔軟な解決が可能
  • 調停が成立すれば、判決と同じ効力
  • 費用が安い
デメリット
  • 相手が出席しないと成立しない
  • 強制力はない(あくまで話し合い)

ステップ⑤:民事訴訟を提起する

支払督促や調停でも解決しない場合、民事訴訟(裁判)を提起します。

【60万円以下】少額訴訟

特徴
  • 原則1回の期日で判決
  • 手続きが簡単
  • 弁護士なしでも対応可能

【60万円超】通常訴訟

特徴
  • 複数回の期日
  • 証拠調べ・証人尋問あり
  • 弁護士への依頼を推奨
訴訟での主張内容
  • 金銭消費貸借契約の成立(貸し借りがあった)
  • 返済期日の到来
  • 返済がないこと
  • 証拠(LINE、振込記録など)の提出
判決後

勝訴すれば、判決に基づいて強制執行(給与差押え、預金差押えなど)が可能になります。

ステップ⑥:強制執行で回収する

判決を取っても払わない場合

裁判所を通じて、相手の財産を強制的に差し押さえます。

差押えできる財産
  • 給与(ホストとしての報酬)
  • 預金口座
  • 車・バイク
  • 高級品(時計、ブランド品など)
給与差押えの効果

ホストとして働いている限り、毎月の給与から一定額(手取りの4分の1まで)を差し押さえできます。店舗に差押え通知が届くため、ホスト本人にとっては非常に大きなプレッシャーになります。

【特殊ケース】嘘をつかれて貸した場合は詐欺罪での刑事告訴も可能

特殊なケース

詐欺罪が成立する条件

もしホストが最初から返すつもりがないのに嘘をついてお金を借りた場合、詐欺罪(刑法246条)に該当する可能性があります。

詐欺罪の要件
  • 相手を騙す行為(嘘をつく)
  • 相手が騙されたこと
  • お金を交付したこと
  • 最初から返すつもりがなかったこと
嘘の例

「親が病気で治療費が必要(実際は嘘)」

「店に罰金を請求された(実際は嘘)」

「借金取りに追われている(実際は嘘)」

「来週必ず返す(返すつもりが全くない)」

実際にホストが逮捕された事例

交際相手の女性から現金約200万円をだまし取ったとして、警察は詐欺の疑いで、ホストクラブ従業員の男(26)を逮捕した。

男は「店の売上が足りず、クビになる」などと嘘をつき、女性から複数回にわたり現金を受け取った疑い。

実際には売上に問題はなく、借金返済に充てていたという。

刑事告訴のメリットと注意点

メリット
  • 相手が逮捕される可能性
  • 前科を避けるため、示談(返金)に応じやすくなる
  • 被害弁償として優先的に返金を受けられる可能性
注意点
  • 刑事告訴だけではお金は返ってこない
  • 警察は民事不介入(貸し借りには介入しない)
  • 詐欺罪の立証は難しい(「返すつもりがなかった」の証明)
対応策

民事と刑事の両面から攻めることで、回収可能性が高まります。弁護士に相談し、並行して進めましょう。

【重要な注意点】絶対にやってはいけない違法な取り立て

違法な取り立て

どれだけ怒りを感じても、以下のような行為は絶対にやめてください。逆にあなたが犯罪者になるリスクがあります。

違法になる取り立て行為

行為該当する犯罪
「ホストをしていることを家族にバラす」と脅す脅迫罪
SNSに「○○店の△△は詐欺師」と書き込む名誉毀損罪
店に押しかけて大声で騒ぐ威力業務妨害罪
深夜に何度も電話をかける迷惑防止条例違反
「ホストをしていることを家族にバラす」と脅す住居侵入罪・ストーカー規制法違反

正当な権利があっても自力救済は禁止

日本の法律では、たとえ正当な権利(貸したお金を返してもらう権利)があっても、自力で強引に回収することは認められていません。

必ず法的手続きを踏む必要があります。

感情的にならず、法的手段で対抗する

「騙された悔しさ」「裏切られた怒り」は当然の感情ですが、違法な取り立てをすると、逆にあなたが訴えられるリスクがあります。

冷静に、法律に則った方法で回収しましょう。

まとめ:ホストへ貸したお金を回収するために押さえるべきポイント

抑えるべきポイント

ホストにお金を貸して返してもらえない場合でも、諦める必要はありません。

最も重要なのは、「貸した」のか「あげた」のかを証明できるかどうかです。

返済約束があったことを示すLINE・メール・借用書などの証拠があれば、法的に回収できる可能性は十分にあります。「贈与」と判断されると回収は困難になるため、今すぐ証拠をスクリーンショットで保存してください。

回収手段は段階的に強化していくことが重要です。まずはLINEやメールで返済を求め、反応がなければ内容証明郵便を送ります。それでも応じない場合は弁護士に依頼し、必要に応じて支払督促や民事調停、訴訟といった裁判所手続きに進みます。最終的には給与差押えなどの強制執行も可能です。

借用書がなくても、相手の本名を知らなくても、少額でも、相手が店を辞めていても、それぞれに対応する法的手段があります。一人で悩まず、まずは私たちに相談してください。回収可能性の見極めや具体的な手続きについて丁寧にご説明いたします。

貸したお金を取り戻す権利は、法律であなたに保障されています。諦める前に、ぜひ専門家に相談し、行動を起こしてください。

確実な回収への第一歩は、早期の相談から始まります。