お役立ちコラム

投資詐欺とクーリングオフについて/弁護士が解説!
投資詐欺
クーリングオフ

「投資セミナーで高額な情報商材を買わされてしまった」「SNSで勧誘されて投資ツールを購入してしまった」「マッチングアプリで知り合った相手に勧められて投資システムを契約してしまった」

こうした場合、クーリングオフ制度を利用することでお金を取り戻せる可能性があります。

クーリングオフ制度は特定の契約について、一定期間消費者側が無条件で契約の解除や申し込みの撤回を行える制度です。投資詐欺や情報商材詐欺の被害に遭った場合でも、取引の種類によってはクーリングオフが適用されます。

ここでは、投資詐欺に関連する取引でのクーリングオフ制度の概要や使い方について、弁護士が詳しく解説します。

監修:弁護士 福世 健一郎
弁護士法人M.L.T法律事務所代表 / 保有資格:弁護士(千葉県弁護士会所属)


年間200件以上の法律相談実績を持ち、法律の専門知識と豊富な経験に基づいたアドバイスや案件処理を提供しています。「ご依頼者様第一主義」の理念のもと、特に「密なコミュニケーション」を重視した対応を心がけています。千葉津田沼を拠点とする地域密着型の弁護士法人の代表として、地域の皆様の法的問題解決に尽力しています。

監修:弁護士 福世 健一郎
弁護士法人M.L.T法律事務所代表 / 保有資格:弁護士(千葉県弁護士会所属)

年間200件以上の法律相談実績を持ち、法律の専門知識と豊富な経験に基づいたアドバイスや案件処理を提供しています。「ご依頼者様第一主義」の理念のもと、特に「密なコミュニケーション」を重視した対応を心がけています。千葉津田沼を拠点とする地域密着型の弁護士法人の代表として、地域の皆様の法的問題解決に尽力しています。

そもそもクーリングオフとは

契約

クーリングオフとは、商品やサービスを申し込み・購入した場合に、一定期間申し込みの撤回や契約の解除を認める制度です。訪問販売や電話勧誘販売といった特定の取引について認められます。

なぜクーリングオフ制度があるのか

民法は原則として、締結した契約の一方的な解除や申し込みの撤回は認めていません

しかし、業者によっては消費者の情報不足や無知につけこみ、消費者にとって不利な契約を結ばせるケースも多く見られます。特に投資詐欺では、「必ず儲かる」「限定募集」などと消費者を焦らせ、冷静な判断ができない状況で高額な契約を結ばせる手口が横行しています。

そこで、消費者トラブルが起きやすい特定の取引については、契約後も一定期間消費者に対して「本当に契約をしていいのか」と冷静に考えさせる期間を設けました。これがクーリングオフです。

投資詐欺でクーリングオフが適用される取引

クーリングオフはすべての取引に適用されるわけではありません。特定商取引法で定められた以下の取引に限定されます。投資詐欺や情報商材詐欺に関連する取引として、特に以下の5つが重要です。

① 訪問販売

訪問販売は、業者が消費者の自宅やカフェなどを直接訪問して商品・サービスを売るという取引です。

投資詐欺での具体例
  • 自宅に投資コンサルタントが訪問し、投資商品や情報商材を販売
  • カフェで会って投資システムやツールの契約を結ばされた
  • キャッチセールス:街中で声をかけられ、オフィスに連れて行かれて投資セミナーへの参加や商品購入を勧誘された
  • SNSを通じた勧誘:マッチングアプリやInstagram、LINEで知り合った相手に誘われ、カフェやホテルのラウンジで会い、投資商品を勧誘された
重要ポイント

店舗外で契約した場合は、キャッチセールスやSNS勧誘も含めて訪問販売に該当し、クーリングオフの対象となります。

クーリングオフ期間

契約書面を受け取った日から8日間

② 電話勧誘販売

電話勧誘販売は、業者が電話で勧誘し、商品の販売等を行うというタイプの取引です。

投資詐欺での具体例
  • 業者から営業電話があり、投資商品や情報商材を勧誘された
  • 「今だけ限定の投資案件があります」と電話で勧誘された
  • 電話で投資セミナーへの参加を勧誘され、その場で高額な契約を結んだ
クーリングオフ期間

契約書面を受け取った日から8日間

③ 連鎖販売取引(マルチ商法)

連鎖販売取引はマルチ商法の一種です。「他の人を勧誘するとマージンがもらえる」と消費者を勧誘し、商品等を買わせるという内容の取引です。

投資詐欺での具体例
  • 「友人を紹介すれば紹介料がもらえる」という投資案件
  • 「会員を増やせば権利収入が得られる」という投資システム
  • SNSで「副業」として勧誘され、投資商品を購入させられた上で「他の人も勧誘すれば稼げる」と言われた
  • 仮想通貨や投資アプリで「ダウンを増やせば報酬が上がる」という仕組み
重要ポイント

投資案件でも、紹介制度がある場合はマルチ商法に該当する可能性が高く、クーリングオフの対象となります。

クーリングオフ期間

契約書面を受け取った日から20日間

④ 業務提供誘引販売取引

業務提供誘引販売取引は、「仕事を提供するから」「副業で稼げる」と消費者を勧誘したうえで、その仕事に必要であるという触れ込みでソフトや教材などの商品を買わせるものです。

投資詐欺での具体例
  • 「投資で稼げる副業がある」と勧誘され、高額な投資ツールやシステムを購入させられた
  • 「FXで稼ぐためのツールが必要」と言われ、自動売買システムを購入
  • 「仮想通貨の運用代行で収入を得られる」と勧誘され、システム利用料を支払った
  • 「投資セミナーに参加すれば稼げる方法を教える」と言われ、高額なセミナー参加費を支払った
  • SNSで「月収◯◯万円可能」などと勧誘され、情報商材や投資ツールを購入
重要ポイント

「副業」「稼げる」「収入を得られる」という勧誘で商品を購入させられた場合は、業務提供誘引販売取引に該当し、クーリングオフの対象となります。

クーリングオフ期間

契約書面を受け取った日から20日間

⑤ 特定継続的役務提供

特定継続的役務提供は特定のサービスについて、長期かつ高額の契約を締結させる場合をいいます。具体的には、エステ、語学教室、家庭教師、パソコン教室、学習塾、結婚相手紹介サービス、美容医療があげられます。

投資詐欺での具体例
  • 高額な投資セミナーや投資スクールへの入会契約(期間2ヶ月以上、金額5万円超)
  • 継続的な投資コンサルティング契約
重要ポイント

投資教育サービスが「パソコン教室」や「学習塾」に該当する場合、クーリングオフの対象となる可能性があります。

クーリングオフ期間

契約書面を受け取った日から8日間

クーリングオフができない取引:通信販売

お金とカート

通信販売は、テレビやWeb広告、SNS広告などを見た消費者が、電話やWeb、LINEなどを通じ、業者に対して商品などの申し込みを行うという内容の取引です。いわゆるテレビショッピングや、Webのランディングページを通じて商品を購入する場合などが該当します。

重要な注意点

通信販売にはクーリングオフ制度は適用されません。ただし、事業者が独自に返品特約を設けている場合は、その条件に従って返品で

通信販売でも契約解除できる場合

クーリングオフは使えませんが、以下の場合は契約解除や返金請求ができる可能性があります。

虚偽・誇大広告「必ず儲かる」「リスクゼロ」などの虚偽の広告があった場合
消費者契約法違反不実告知(嘘の説明)、断定的判断の提供などがあった場合
詐欺最初から騙す意図があった場合

クーリングオフの期間と起算日

カレンダー

クーリングオフ制度を利用すれば、一定期間は無条件で商品・サービスの解約が可能です。クーリングオフのできる期間は、法定の契約書面を受け取った日から、8日間あるいは20日間となります。

重要:契約書面に不備があった場合

契約書面に以下のような不備があった場合は、そもそも書面を受け取っていないものとして扱われ、クーリングオフ期間は進行しません。

契約書面に必要な記載事項:
  • 事業者の名称、住所、電話番号
  • 契約年月日
  • 商品・サービスの内容
  • 商品・サービスの価格
  • 支払い方法、支払い時期
  • クーリングオフに関する事項(重要)

クーリングオフの記載がない場合や、記載が不十分な場合は、8日間・20日間が経過していても、クーリングオフが可能です。

クーリングオフ期間の整理

8日間となる取引:
  • 訪問販売
  • 電話勧誘販売
  • 特定継続的役務提供
20日間となる取引:
  • 連鎖販売取引(マルチ商法)
  • 業務提供誘引販売取引

クーリングオフのやり方

男性に指で刺されてる

クーリングオフは、契約解除通知書を相手に送ることで行えます。

基本的な手順

① 書面で通知する

特に通知の仕方にルールがあるわけではありませんが、必ず書面で行うようにしましょう。口頭での通知は証拠が残らないため推奨されません。

② 通知書の記載内容

以下の内容を明記します。

  • 契約年月日
  • 商品名・サービス名
  • 販売会社名
  • 「クーリングオフ(契約を解除)します」という明確な意思表示
  • 返金を求める旨
  • 通知日
  • 自分の氏名、住所

③ 送付方法

はがきまたは封書で送付します。

  • 通知書のコピーまたは写真を必ず保管
  • 簡易書留または特定記録郵便で送付(配達記録が残るため)
  • 内容証明郵便を使うとより確実(弁護士に依頼すると対応可能)

④ クレジットカード会社への通知

クレジットカードで支払った場合は、クレジットカード会社にも同様の通知を送付してください。

クーリングオフ期間を過ぎた場合でも諦めないでください

あきらめないで

クーリングオフ期間を過ぎた場合であっても、以下のケースでは契約を解除できる可能性があります。

① 契約書面に不備がある

前述のとおり、契約書面に必要な記載がない、またはクーリングオフについての記載が不十分な場合は、期間経過後でもクーリングオフが可能です。

② 消費者契約法による取消し

以下のような場合、消費者契約法に基づいて契約を取り消すことができます。

不実告知(嘘の説明)「必ず儲かる」「リスクはない」などの虚偽の説明、投資実績を偽って説明された場合
断定的判断の提供「絶対に利益が出る」などの断定的な表現
不利益事実の不告知リスクやデメリットを故意に説明しなかった場合
不退去・退去妨害契約するまで帰らないと言われた、帰りたいと言ったのに帰してもらえなかった場合

消費者契約法による取消しは、追認できる時から1年間、契約時から5年間行使できます。

③ 詐欺による取消し

相手が最初から騙す意図を持っていた場合、民法上の詐欺に該当し、契約を取り消すことができます。

詐欺に該当する例実態のない投資先への投資を勧誘、架空の会社や事業を装って契約、出金できないシステムと知りながら勧誘

詐欺による取消しは、詐欺を知った時から3年間行使できます。

④ 金融商品取引法違反

投資商品の勧誘が金融商品取引法に違反している場合、以下の法的措置が可能です。

違法な勧誘無登録業者による勧誘、断定的判断の提供(「必ず儲かる」など)、虚偽の説明

これらの違反がある場合、損害賠償請求刑事告訴が可能です。

弁護士に依頼するメリット

法廷の画像

クーリングオフ自体は個人でも可能ですが、以下のようなケースでは弁護士に依頼することをお勧めします。

弁護士に依頼すべきケース:
  • 業者が「クーリングオフはできない」と主張している
  • 契約書面に不備があるか判断できない
  • クーリングオフ期間が過ぎているか微妙
  • 高額な契約で確実に解除したい
  • 業者からの脅しや嫌がらせが心配
  • 返金を拒否されている
弁護士に依頼するメリット:
  • 内容証明郵便で法的に正確な通知を送付
  • 契約書面の不備を精査し、期間経過後でもクーリングオフできる可能性を検討
  • 業者が返金を拒否した場合の法的措置(訴訟、強制執行)
  • 業者との交渉を代行
  • 家族に知られないよう配慮した対応

契約して後悔した場合はすぐに相談を

悩んでいる男性

高額な投資商品や情報商材を契約して後悔している場合や、詐欺的商法などの被害にあった場合には、一人で悩まず早めにご相談ください

早期相談が重要な理由

  • クーリングオフ期間には期限がある
  • 証拠が消されてしまう可能性
  • 業者が逃げてしまう、会社が解散してしまう
  • 相手の財産が散逸してしまう

初回相談は30分無料です。証拠の状況を確認し、クーリングオフの可否、その他の解決方法について、正直にご説明いたします。一人で悩まず、今すぐご相談ください。